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Last Update: Apr. 22 1998

石灰石列車車両解説

 写真も交えながら全国的にも活躍の場が少ないホキ2500・9500形のバリエーションを見ていただこう。

A. JR貨物所有ホキ2500形


 JR貨物所有車がこのホキ2500形である。表記は全車「東」、奥多摩駅常備である。最近になって多くの車両が奥多摩工業に譲渡され、ホキ9500形となったため、編成中に数両しか組み込まれておらず、全く組み込まれていない編成を見かけることも多い。

 左写真(上):ホキ2539は比較的初期に製造された車両で、アオリ戸にまるい円板が取り付けられている。これは、荷下ろしの際、石灰石が落ちにくい場合に、車体をたたく(ガンガンだたき)時、この部分をたたくことによって、セキ6000形等のように車体の痛みが進まないようにと付けられたものである。

 左写真(下):アオリ戸の丸い円板はホキ2500初期車の特徴であり、写真のホキ2500後期車やこの後解説しているホキ9500形新製車にはこの円板がついていない。

B. 奥多摩工業所有ホキ9500形(新製)車

 これが本家本元!? 奥多摩工業所有のホキ9500形である。こちらは製造時よりホキ9500形でホキ2500形後期車と同じ車体に「奥多摩工業株式会社」の文字が入っている。これらの車両は成田空港建設の際に新造され、用途終了後、奥多摩工業の所有となったもの。全車奥多摩駅常備。

C. 奥多摩工業所有ホキ9500形編入車

 最近増えてきたのがこのタイプで、正体はホキ2500形からの編入(譲渡)車である。車体に奥多摩工業の車紋プレートが取り付けられているのが特徴である。1編成に10両入っている編成もある。この車両はホキ2500形からから改造された証として、塗りつぶされた国鉄時代からの懐かしの表記「西」がうっすらと見える車両もある。こちらも全車奥多摩駅常備。

D. 日本石油輸送所有ホキ9500形新製車

 タンク車で有名な日本石油輸送だが、こんな所でも活躍している。奥多摩工業所有の新製車とは所有社名表記の違いのみである。こちらは今まで紹介してきた車両と違い、名古屋南港常備で奥多摩駅臨時常備の板が差し込まれている。

E. 番外編・タキ9800形

こちらは番外編。石灰石輸送とは直接の関係はないが、8291レとしてよく奥多摩まで入るタキ9800形。写真はタキ49828で、安治川口常備(根岸臨時常備)である。最近ではタキ9800形自体が珍しくなってきている。奥多摩へは不定期ながらも月数回ペースで8291レとして入線しているのだが、詳細は不明。奥多摩工業への燃料輸送だが、中身は重油である。

F. 牽引機について

 EF64-1000は高崎機関区に40両配置され、青梅・南武線などを中心に運用されるEL1組は12仕業が組まれている。他に上越線中心のEL2組は23仕業ある。EF64-1000自体バリエーションに乏しいが、高崎区では運転室冷房装置取り付け改造が実施されている車両があり、運転席上の扇風機カバーが撤去され、四角い装置が載っているので一目で見分けることが出来る。

 そして、一番の特徴機は1010番である。写真の通りJR貨物の試験塗装機で、車体側面には大きくJRの文字が書かれ、ナンバープレートが赤となっている。もちろんこのカマがEL1組に充当される事もあるわけだが、なんといっても確率40分の1であり、見れたらラッキーといったところである。

G. 青梅線を走る他の貨物列車


 青梅線には石灰石輸送以外に数本ながら他の貨物列車も運転されている。なお、これらの牽引も高崎区のEF64-1000である。

 まず、横田基地への燃料輸送列車がある。定期1往復、臨時1往復の計2往復が設定されている。以前は米軍のタキ3000の姿も見られたが、最近ではほとんどNRSのタキ35000で運転されている。

 そして八高線の八王子から奥多摩まで不定期で運転されている列車がある。こちらは特に貨車の形式や両数は限定されておらず、時にはタキ1900やコキ104が連結されている。この列車は貨車の交検のために運転されている列車で、土曜・休日・水曜は運休となるのが普通であったが、最近は水曜日も運転されている模様。

 簡単ではあるが、青梅線の貨物列車について紹介させていただいた。このように活気づいた列車達も拝島-安善間の燃料輸送列車を残して廃止されることであろう。また機関車の運用についても、余剰となったEF64形がどうなっていくかであるが、場合によっては同区のEF65-500等の老朽未更新期を淘汰する可能性も出てきた。いずれにせよ、近い内大きな変動があるものと見られる。それ次第では今まで石灰石列車の間合いで使用されていた燃料輸送列車にEF65が充当される可能性も出てきたと言えるであろう。



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